GBAゲンガー

 ゲンガー
 高いとくこうとすばやさ、豊富な特殊技を持つため安定して受けるのが難しい厄介な特殊アタッカー。
 それだけならば凡百のポケモンに過ぎずカビハピに止められていろ、という程度の存在だったが「おにび」「ほろびのうた」「きあいパンチ」など多様な技でカビゴンハピナスで安易に受けることを許さず、恵まれた耐性からカビゴンヘラクロスケンタロス、ケッキングなどに受け出すことさえ可能な点が他のただの特殊ポケモンとは一線を画するトリックスター
 もちろんアタッカーとしての性能も一級品ですばやさ種族値100を上を行ける点が重要。「10まんボルト」「れいとうパンチ」「ほのおのパンチ」「サイコキネシス」「ギガドレイン」など多彩な攻撃技でボーマンダ、サンダー、ヘラクロスギャラドスなど並み居る強力ポケモンに上から圧力をかけることができる。


 GBAの時点では「シャドーボール」「ヘドロばくだん」が物理技であり「きあいだま」も存在しないなど、一見してXYからすると一致技が貧弱でパワー不足に感じられるかもしれないが「れいとうパンチ」「ほのおのパンチ」が特殊技でありボーマンダメタグロスへの打点として使えるほか、GBAの段階ではゲンガーにあたる先制技が存在せず(「でんこうせっか」「マッハパンチ」「しんそく」のみ)、もちろん「はやてのつばさ」「こだわりスカーフ」も存在しない、「すいすい」「ようりょくそ」の発動にワンテンポ置く必要があるなどゲンガーのすばやさの高さを如何なく発揮できる土壌が整っており盤面を支配する力はイメージ以上に高い。ゲンガーを相手取った場合、「みちづれ」を承知で殴らざるを得ない局面もあるだろう。


 ただし、種族値自体は500と低めで特に物理耐久には不安が残る。
 ヘラクロスに強めといっても「こだわりハチマキ」を想定するならば「いわなだれ」どころか1/4の「メガホーン」でさえ莫迦にできないダメージが入るため、対ヘラクロスの駒として採用するならば迅速にダメージを重ねられる「ほのおのパンチ」か「サイコキネシス」がないと打ち負ける可能性がある。役割を重視した技を採用した結果、技スペースが圧迫されてしまい迫撃性能・荒らし性能がさほど発揮できないこともある。


 ゲンガーへの代表的な対策はライコウ。ゲンガーに弱点を突かれることがなく、上から殴ることができる。「めいそう」「みがわり」型の場合は起点にすることさえできるだろう。
 それ以外ではライコウと同様の理由でサンダース、あるいはレジロックフーディンサーナイトなど特殊耐久が高めで弱点を突かれにくいタイプのポケモン。構成次第ではハピナスであっさりストップすることもある。すばやさが命なので「でんじは」が決まれば一気に対処が楽になるだろう。



 10まんれいとうおにびみちづれ@ラムみたいなアグレシブな構成で荒らしたいけど、前述の通りこういう構成だと役割を充分遂行できない気がするんですよね……。痛し痒し。
 ヘラクロス流しであり、ケンタロス・ケッキング・グライガーマタドガスあたりの受けるのがめんどくさいポケモンを一気に動きにくくさせる防御性能を持ちながらまともに受けるのが難しい特殊アタッカーであり、すばやさ種族値110を誇り、カビゴンにも隙を見せないという可能性の塊のようなポケモン。ゲンガーはいつの時代も強い。