GBAヘラクロス

ヘラクロス

 一にも二にも「メガホーン」の火力が特徴的なポケモン。「メガホーン」以外にも「かわらわり」「いわなだれ」を備えて攻撃面に隙がない。かくとうタイプでありながらフシギバナ、ヤドラン、ソーナンスなどでは受けることができず、スイクンカビゴンのような並びに強い。
 火力偏重のかくとうタイプというと概して受け役割に乏しく、突破力があっても場に出す機会を作るのが難しい傾向にあるがヘラクロスは「メガホーン」の圧力とそれなりの耐久力・すばやさからミロカロススイクンラプラスフシギバナハガネールなど低火力のポケモンを起点に攻め込むことができる。
 耐性もわかりやすい受け役割はないが、じめん・むし・くさ・かくとうを半減し、いわ・でんき・こおり・みずを等倍で凌ぐという耐性が独特であり、みず+こおり、こおり+でんき、いわ+じめんのようなよくある組み合わせで弱点を突かれづらい。ヘラクロスの攻撃範囲であるむし+かくとう+いわに対しても弱点を突かれないためめざめるパワー(ひこう)を採用するとミラーで有利に立てる。
 また、第三世代では数少ない状態異常耐性のあるポケモンでもあり、物理にも関わらず「おにび」で機能停止せず「こんじょう」「ねごと」を採用することも自然にできるため「さいみんじゅつ」を牽制する存在でもある。


 XYと比較してヘラクロスが覚えられない技は「インファイト」「ストーンエッジ」「ロックブラスト」「タネマシンガン」「はたきおとす」「つばめがえし」「つじぎり」「シャドークロー」など。
 重要な技が多く覚えられないように見えるかもしれないが、「かわらわり」「いわなだれ」「めざめるパワー(ひこう・ゴースト)」などでおおむね代替可能であるため実質的な攻撃範囲はほぼ変わらない。むしろ、マリルリギルガルドで止められることがないためにXYよりも動きやすいゲームと言える。

 
 持ち物は「メガホーン」の威力を活かせる「こだわりハチマキ」が強力にして定番。むし半減のポケモンであっても物理耐久の高くないポケモンはゴリ押すことができる。
 それについで多用されるのがすばやさを補う「カムラのみ」。「きしかいせい」と組み合わせても強いし、「つるぎのまい」「メガホーン」「かわらわり」「いわなだれ」+「カムラのみ」のような構成もある。
 なお、GBAの時点では「どくどくだま」「かえんだま」は存在しないためそれらのもちもので火力を上げることはできない。
 「こだわりハチマキ」「ねごと」は最初の一回しか発動しないことにも注意が必要(一回「ねごと」で技が出たあともう一度「ねごと」を選んでも技を出すことができない)。


 対策として代表的なポケモングライガーマタドガスエアームドは「こだわりハチマキ」「かわらわり」三発でおとされてしまうが「ドリルくちばし」で一方的に倒すことができるため、対策として信頼できるレベルであろう。
 こうした防御的なポケモンを採用しづらい構築の場合、特定の攻撃技が安定という状況を作らないことがヘラクロス対策になる。むし・かくとうに耐性のあるポケモンと「いわなだれ」を抜群で受けないポケモンを併用すれば「こだわりハチマキ」ヘラクロスは動きづらい。何度も受ければ崩されてしまうものの、ボーマンダ、ゲンガー、サンダー、ファイヤーなどは「メガホーン」「かわらわり」に耐性を持ちつつ攻撃的な運用ができるため、こちらが崩される前に相手を崩しにかかることでヘラクロス対策として機能する。
 「こだわりハチマキ」ならば「まもる」で技を固定するのも効果的ではあるものの、「こだわりハチマキ」と決めつけて安易に「まもる」をすると「つるぎのまい」を使う隙を与え「カムラのみ」も合わせるとあっさりと全抜きされる危険がある(「バレットパンチ」や「こだわりスカーフ」がないためすばやさ一段階上昇でも充分な脅威となりうる)のは留意する必要がある。
 GBAルールでは「こだわりハチマキ」と好相性のポケモンは多いが、ヘラクロスボーマンダはこの裏択の積み技がある点でメタグロスケンタロスといった他の「こだわりハチマキ」ポケモンと一線を画する存在といえるだろう。

 強いことは間違いないのだが、第三世代屈指の強力な持ち物である「こだわりハチマキ」が自然にヘラクロスにいく構築を作れるのかがキモ。
 「メガホーン」「かわらわり」に耐性があるポケモンに受けづらいポケモンが多いため、「こだわりハチマキ」をせっかく託したのにその辺に隙を見せたくなくて選出できない、というようなことにならないようにしたい。