ORAS シングルガブリアス
1.概要
言わずと知れた高汎用ポケモン。
高い水準でバランスの取れた種族値、広い攻撃範囲、命中の高い主力技、恵まれた耐性を持ち、単体でメガシンカに迫るスペックを持つ。
そのあまりにも強力な性能は適当にこうげき、すばやさに全振りして攻撃するだけで成果を上げてしまうほどである。
すばやさの水準が高く、最速にすることでメガガルーラ、サザンドラ、リザードン、れいじゅうボルトロスなどの後だしでの対処がしづらいポケモンを処理しやすいことが特に優秀なポイント。”がんせきふうじ””きあいのタスキ””ラムのみ”を絡めることで自身より速いゲンガー、けしんボルトロス、ファイアローなどにも強く出られる相手は多い。
特殊耐久が高めなので”めざめるパワー(氷)”程度では強化アイテムを持つか、ごく一部の特殊攻撃力の高いポケモンでしか一撃にできない。
ガブリアスを採用する主な理由としては
a.安定した打点と耐久力、”さめはだ”などを含めたタイマン性能
b.じめんタイプであることによる麻痺耐性
c.じめんタイプであることによるでんき無効
が欲しい場合である。
さらに、持ち物や技によって以下のような役目も期待できる。
d.”ステルスロック”を撒く能力
e.”こだわりスカーフ””きあいのタスキ”によるストッパー能力
f.”こだわりスカーフ”による抜き能力
g.”こだわりハチマキ””つるぎのまい”による崩し能力
などが挙げられるだろう。
aについては敢えて述べることは多くない。この点を生かすのならば”きあいのタスキ”や”がんせきふうじ”が相性が良い他、”ラムのみ”を持つことで”ねむりごな”ビビヨン、”おにび”ゲンガー、”キノコのほうし”キノガッサなどにも勝てるようになる、”ゴツゴツメット”を持たせることでメガガルーラとの打ち合いにも強くなるといったカスタマイズが可能である。
bは麻痺耐性であり、クレッフィやボルトロスの”でんじは”に待ったをかけることが可能である。
cは電気無効は、そもそもガブリアスがでんきタイプにそこまで有利なポケモンではないために一見首を傾げる人もいるかもしれないが構築にでんき無効のポケモンがいないと(仮にラッキーやバンギラスのように特殊耐久に恵まれたポケモンがいたとしても)”ボルトチェンジ”が安定する局面が発生してサイクル戦で不利を強いられやすくなってしまう。
dは多くのポケモンでも可能ではあるが、ガブリアスは様々な技構成が可能なポケモンであり安易に”ちょうはつ”などで”ステルスロック”を止める動きがしづらく、”ちょうはつ”してくるボルトロスやゲンガーに対して”がんせきふうじ”ですばやさを下げてから”ステルスロック”をするなど柔軟な動きが可能なところがポイントである。それ以上の補助技はあまりないが”げきりん””じしん”で多くの範囲に打点を確保できるために専用のポケモンを擁する必要がなく、構築のパワーを落とさずに”ステルスロック”を採用できる。
eは積みエースに対する抑止力としての性質である。”りゅうのまい”メガリザードンX・カイリューや”ちょうのまい”ウルガモス”つるぎのまい””わるだくみ”メガルカリオ”かそく”バシャーモなどに対して一手遅れても取り返しがつく。
fはサイクル戦終盤における抜きエースとしての性質である。”こだわりスカーフ”と相性のいいポケモンの中ではトップクラスのすばやさを持ち、主力技も範囲、命中率、威力ともに申し分ない。
gはサイクル破壊のための性能であり、”つるぎのまい””げきりん”でクレセリアを突破したり、”かえんほうしゃ”でエアームドを突破したりといった動きを指す。あまり採用されることはないがメガガブリアスになるととくこうが上昇するために”かえんほうしゃ”で容易にエアームドを突破することができる。
比較的類似した性質を持つポケモンにランドロスがいるが、威力の高い”げきりん”でサイクルを打破するのを得意とするのに対してランドロスは弱点をつかれる機会も多い代わりにむし、かくとうに耐性があり”いかく””とんぼがえり””はたきおとす”など、サイクル戦を継続する上でアドバンテージを取って行く要素が豊富なところがポイントか。
『タイマン性能、電気耐性、ステルスロック』という点で言えばマンムー、ドリュウズなども比較的近いポケモンとも言えるが、これらのポケモンはガブリアスの性質とはかなり運用が異なるため互換とは言いがたい。
2.技構成
げきりんじしんがんせきふうじつるぎのまい@ラムのみ
基本的な技構成。
主力技二つのみで多くの相手と打ち合うことが可能であり、”ラムのみ”はキノガッサなどに勝てるようになる他、”がんせきふうじ”と同時に持つことで”おにび”を持ったメガゲンガーやファイアローなどを対処できるために相性がいい。
”げきりん”の混乱を防ぐことができるという意味で”ラムのみ”が活きるというシナジーもある。
じしんがんせきふうじステルスロック@きあいのタスキ
”ステルスロック”要員として採用した場合。
”きあいのタスキ”で確実に”ステルスロック”を撒くポケモンであり、その後も性能の高さから戦線を維持できる。
見た目でも露骨な”ステルスロック”要員だと看破されづらいという効果も見込める。
げきりんじしんストーンエッジドラゴンクロー@スカーフ
”こだわりスカーフ”をスムースに持てるポケモンの中ではトップクラスのすばやさがあるために、けしんボルトロスやラティオス、メガゲンガー、”こだわりスカーフ”サザンドラなどを頓死させることができる。”ちょうのまい”ウルガモスや”りゅうのまい”カイリュー・リザードンX、”かそく”バシャーモにすばやさ一段階アップを許したとしても上から叩いて迅速に処理することができる。
非常に高いすばやさから命中100、威力100以上の一致技を連打できるポケモンであるため、サイクル戦で消耗した相手を一掃するような用途でも信頼性が高い。
ただし、主力技がどちらも無効タイプがあるために隙をみせやすいことには留意が必要である。
げきりんじしんストーンエッジねごと@こだわりハチマキ
ポリゴン2やクレセリアのような数字受けを許さない、破壊力を追求した”いじっぱり””こだわりハチマキ”ガブリアス。とくぼうにふって打ち合いに強くするパターンもある。
”こだわりスカーフ”と違って火力が高いために”おにび”に強気に出られる”からげんき”、マリルリを殴り倒す”どくづき”、”きあいのタスキ”キノガッサや”みがわり”グライオンを突破できる”ダブルチョップ”、どの技が出てもそれなりの火力が見込める”ねごと”など、技はカスタマイズ自在できる。
3.対策
恵まれた種族値と多様な持ち物が想定できるため、安定して対策をとるのは難しい。”きあいのタスキ””ラムのみ””こだわりスカーフ””こだわりハチマキ”だけでも対処の仕方が変わってくる。
まともに受けようとするのならポリゴン2、クレセリア、カバルドンクラスの耐久力が必要になるが、それでも”つるぎのまい”や”こだわりハチマキ”まで想定すると一任できるかは疑わしい。
どうしてもガブリアスに弱いポケモンを採用する場合には、敢えて”げきりん”を撃たせて後ろからマリルリ、ギルガルド、ハッサム、クチートなどを出して起点にしたほうが損害を押さえられることもある。