ORAS シングル メガボーマンダ

1.概要
 600族という恵まれた種族値、”りゅうせいぐん”を初めとする強力な攻撃技、”いかく”という効果的な特性。戦闘の体現と言えるスペックを持ちながら、意外にもボーマンダがシングル対戦の最前線に存在していた期間はさほど長くない。
 という過去を持つボーマンダORAS版にて晴れてボーマンダナイトを得た。
 種族値が100アップしただけでなくその配分も理想的であり、特にすばやさとぼうぎょが上がった点が嬉しい。すばやさ種族値が120にまで上がったことで今まで上から押さえつけてくる存在だったガブリアスラティオス、ゲンガー、ボルトロスライコウといったポケモンに大して先制が可能になった。ぼうぎょが上がったことで”りゅうのまい”で突破力を得たにもかかわらず”はやてのつばさ”や”バレットパンチ”で倒されて活躍ができなかった、ということにもなりにくい。
 さらに”スカイスキン”により、命中・威力ともに安定して高い技を主力にすることができる。”やつあたり”+”じしん”で広い攻撃範囲を取ることができるのため従来からボーマンダが得意とする”りゅうのまい”との相性もいい。”からげんき”や”いびき”をスムースに採用できるポケモンという意味で、状態異常を苦手としがちなメガシンカの中で数少ない状態異常に強くなりうるポケモンでもある。
 そもそも威力・命中ともに申し分ない威力のひこう技が撃てる”スカイスキン”を”じしん””だいもんじ””りゅうせいぐん”をサブに備えつつ撃てるというだけでオンリーワンの魅力である。
 反面、さほど秀でていない点があるとしたらメガシンカにしては控えめなこうげき・とくこう種族値か。”スカイスキン”による底上げはあるもののノーマルタイプの技に対してのみであり、四倍弱点があること、メガシンカしたターンにはすばやさが上がらないことも相まって不特定の相手に対しての正面からの打ち合いではあっさりと”れいとうビーム”で倒されてメガシンカとして期待される戦闘能力を充分には発揮できないことも少なくない。
 もちろん、これはメガガルーラのような他の優れたメガシンカと比較しての話であり、単体の性能で見ても充分上位に値するものではある。
 採用率は低いが”はねやすめ”も覚えるために蓄積ダメージによる処理にも強くできる。


 以上の点から、メガボーマンダの運用方法は
a.”りゅうのまい”によるすばやさアップを活かしての抜き
b.多属性の技を採用しての崩し
 の二種類になる。


 aは言葉通り、”りゅうのまい”+”すてみタックル”+”じしん”+αで積みエースとしての運用。
 メガギャラドスメガリザードンX、メガハッサムカイリューのようなポケモンに近い運用になる。種族値や技の威力から言えばメガボーマンダが抜きん出るものではあるが、範囲や耐性によって採用するポケモンが変わってくるだろう。
 bは広い範囲の技により相手の受け・流しを打破する運用。aに強いカバルドンやサンダーを容易に突破するためにによる積みエースとしての運用が強ければ強いほど威力を発揮する型である。広い攻撃範囲でサイクルを破壊するという意味でゲッコウガサザンドラに近いイメージのポケモンである。


2.技構成


りゅうのまい すてみタックル じしん からげんき@ボーマンダナイト
 aの運用方法のうち、セミフルアタックにしたもの。”ステルスロック”や”あくび”などでサポートしてから場に出して殲滅を狙う。
 ”りゅうのまい”を覚えるポケモンとしては優れた打点と範囲を持ち、すばやさ種族値の高さもあることから状況に応じてサポートなしで”りゅうのまい”を使ったり逆に”りゅうのまい”なしで攻撃に出たりと柔軟な動きができる。
 飛行技を一つに絞り、”りゅうせいぐん”や”はねやすめ”を採用することもできる。


りゅうのまい みがわり やつあたり じしん@ボーマンダナイト
 基本的には上述と同じ構成だが、”みがわり”を持たせた構成。”ひかりのねんど”ポケモンと合わせることで”みがわり”がさらに活かせるようになる。””からげんき”では対応しづらい”でんじは”にも効果的。


ハイパーボイス すてみタックル だいもんじ りゅうせいぐんボーマンダナイト
 サイクル戦の突破を得意とする二刀流メガボーマンダ。飛行+地面の範囲に強いウォッシュロトムやサンダー、物理耐久に優れるカバルドンメガヤドランなどでの対処を許さない。単純に技範囲が広いすばやさ種族値120のポケモンでもある。”すてみタックル”を採用することでラッキーが絡んだ並びにも強い。
 ただし、とくこう種族値は120しかなく単体での性能はメガシンカとしては低め。物理系メガシンカに対するサブのメガシンカとしての運用すると機能しやすい。


3.対策
 メガシンカ自体は一種類ではあるが、物理主体と特殊主体かで性質が大きく異なる。”りゅうのまい”型の場合、起点作りポケモンと同居することが多くなるのが一つの目安になるか。
 クレセリア・ポリゴン2クラスの耐久力があれば比較的安定して相手ができるが、”りゅうのまい”を複数使われるとそれでも厳しい。逆に言うと、”りゅうのまい”さえ許さなければ種族値が高いだけのポケモンでしかなくタイマンで勝てる相手は多いし、一方的に起点にされるポケモンも少ない。ボーマンダ自身の対策に躍起になるよりも、起点を作ってくるポケモンにきっちり対処して大きく隙を作らないことが大切である。
 ”からげんき””いびき””ねごと”などの可能性はあるが、やはりメガシンカ共通の弱点である状態異常も効果的である。