ORAS シングル メガボーマンダ
1.概要
600族という恵まれた種族値、”りゅうせいぐん”を初めとする強力な攻撃技、”いかく”という効果的な特性。戦闘の体現と言えるスペックを持ちながら、意外にもボーマンダがシングル対戦の最前線に存在していた期間はさほど長くない。
という過去を持つボーマンダがORAS版にて晴れてボーマンダナイトを得た。
種族値が100アップしただけでなくその配分も理想的であり、特にすばやさとぼうぎょが上がった点が嬉しい。すばやさ種族値が120にまで上がったことで今まで上から押さえつけてくる存在だったガブリアスやラティオス、ゲンガー、ボルトロス、ライコウといったポケモンに大して先制が可能になった。ぼうぎょが上がったことで”りゅうのまい”で突破力を得たにもかかわらず”はやてのつばさ”や”バレットパンチ”で倒されて活躍ができなかった、ということにもなりにくい。
さらに”スカイスキン”により、命中・威力ともに安定して高い技を主力にすることができる。”やつあたり”+”じしん”で広い攻撃範囲を取ることができるのため従来からボーマンダが得意とする”りゅうのまい”との相性もいい。”からげんき”や”いびき”をスムースに採用できるポケモンという意味で、状態異常を苦手としがちなメガシンカの中で数少ない状態異常に強くなりうるポケモンでもある。
そもそも威力・命中ともに申し分ない威力のひこう技が撃てる”スカイスキン”を”じしん””だいもんじ””りゅうせいぐん”をサブに備えつつ撃てるというだけでオンリーワンの魅力である。
反面、さほど秀でていない点があるとしたらメガシンカにしては控えめなこうげき・とくこう種族値か。”スカイスキン”による底上げはあるもののノーマルタイプの技に対してのみであり、四倍弱点があること、メガシンカしたターンにはすばやさが上がらないことも相まって不特定の相手に対しての正面からの打ち合いではあっさりと”れいとうビーム”で倒されてメガシンカとして期待される戦闘能力を充分には発揮できないことも少なくない。
もちろん、これはメガガルーラのような他の優れたメガシンカと比較しての話であり、単体の性能で見ても充分上位に値するものではある。
採用率は低いが”はねやすめ”も覚えるために蓄積ダメージによる処理にも強くできる。
以上の点から、メガボーマンダの運用方法は
a.”りゅうのまい”によるすばやさアップを活かしての抜き
b.多属性の技を採用しての崩し
の二種類になる。
aは言葉通り、”りゅうのまい”+”すてみタックル”+”じしん”+αで積みエースとしての運用。
メガギャラドス、メガリザードンX、メガハッサム、カイリューのようなポケモンに近い運用になる。種族値や技の威力から言えばメガボーマンダが抜きん出るものではあるが、範囲や耐性によって採用するポケモンが変わってくるだろう。
bは広い範囲の技により相手の受け・流しを打破する運用。aに強いカバルドンやサンダーを容易に突破するためにによる積みエースとしての運用が強ければ強いほど威力を発揮する型である。広い攻撃範囲でサイクルを破壊するという意味でゲッコウガやサザンドラに近いイメージのポケモンである。
2.技構成
りゅうのまい すてみタックル じしん からげんき@ボーマンダナイト
aの運用方法のうち、セミフルアタックにしたもの。”ステルスロック”や”あくび”などでサポートしてから場に出して殲滅を狙う。
”りゅうのまい”を覚えるポケモンとしては優れた打点と範囲を持ち、すばやさ種族値の高さもあることから状況に応じてサポートなしで”りゅうのまい”を使ったり逆に”りゅうのまい”なしで攻撃に出たりと柔軟な動きができる。
飛行技を一つに絞り、”りゅうせいぐん”や”はねやすめ”を採用することもできる。
りゅうのまい みがわり やつあたり じしん@ボーマンダナイト
基本的には上述と同じ構成だが、”みがわり”を持たせた構成。”ひかりのねんど”ポケモンと合わせることで”みがわり”がさらに活かせるようになる。””からげんき”では対応しづらい”でんじは”にも効果的。
ハイパーボイス すてみタックル だいもんじ りゅうせいぐん@ボーマンダナイト
サイクル戦の突破を得意とする二刀流メガボーマンダ。飛行+地面の範囲に強いウォッシュロトムやサンダー、物理耐久に優れるカバルドンやメガヤドランなどでの対処を許さない。単純に技範囲が広いすばやさ種族値120のポケモンでもある。”すてみタックル”を採用することでラッキーが絡んだ並びにも強い。
ただし、とくこう種族値は120しかなく単体での性能はメガシンカとしては低め。物理系メガシンカに対するサブのメガシンカとしての運用すると機能しやすい。
3.対策
メガシンカ自体は一種類ではあるが、物理主体と特殊主体かで性質が大きく異なる。”りゅうのまい”型の場合、起点作りポケモンと同居することが多くなるのが一つの目安になるか。
クレセリア・ポリゴン2クラスの耐久力があれば比較的安定して相手ができるが、”りゅうのまい”を複数使われるとそれでも厳しい。逆に言うと、”りゅうのまい”さえ許さなければ種族値が高いだけのポケモンでしかなくタイマンで勝てる相手は多いし、一方的に起点にされるポケモンも少ない。ボーマンダ自身の対策に躍起になるよりも、起点を作ってくるポケモンにきっちり対処して大きく隙を作らないことが大切である。
”からげんき””いびき””ねごと”などの可能性はあるが、やはりメガシンカ共通の弱点である状態異常も効果的である。
ORAS シングル メガリザードンY
1.概説
とにかく”ひでり”ととくこう種族値159からなる圧倒的な瞬発火力が最大の特長。”ちょうのまい”のようなタイムラグや”こだわりメガネ”のようなデメリットなしに単体でぽんとカイオーガクラスの破壊力を発揮できるのがオンリーワンの個性である。
通常、ほのおタイプの技を主力にするポケモンはバンギラス、ガブリアス、ヒードラン、スイクン、ウォッシュロトムなどに対して大きく隙を見せるために運用が難しいことが多いのだが、リザードンは”ひでり”ととくこう種族値から一撃の火力が極めて高い上に”こだわりメガネ”に頼らないため半減の”かえんほうしゃ”でもそれなりのダメージを与えた上にサブ技に切り替えることが可能であり安定した受けを許さない。
すばやさもそれなりに高いため、ギルガルド+サザンドラ+マリルリ、バシャーモ+サンダー+ナットレイ、クレセリア+ヒードラン+ガルーラのようなすばやさの水準が低く短期的なサイクル戦を意識した相手に対しては大きな損害を与えやすい。
一方で耐久力は低いため、先手を取られるとメガシンカとしての戦闘力を充分に発揮できない。けしんボルトロスやファイアロー、”こだわりスカーフ”などを相手取っての活躍は難しい。
特にガブリアスはリザードンYにとっては天敵であり”げきりん”を使うまでもなく”がんせきふうじ”で倒されてしまう上に極めて採用率が高い。
リザードンYを採用する場合には、クレセリアやカバルドンのようなガブリアスに強いポケモンと併用することが望ましい。
また、サイクル破壊を得意とするポケモンとはいえ、ラッキーやハピナスを採用した長期的なサイクル志向の構築を突破することも難しい。
構築レベルで得手不得手がハッキリと分かれるポケモンであり、他のメガシンカと併用して対戦相手の構築を見て使い分けることが重要なポケモンと言える。
2.技構成
かえんほうしゃ オーバーヒート ソーラービーム きあいだま@リザードナイトY
フルアタックの場合。”きあいだま”はバンギラス、ヒードランで止まらなくなるため命中こそ低いものの優先して採用したいサブウェポンである。
かえんほうしゃ オーバーヒート ソーラービーム ねごと@リザードナイトY
”ねごと”を持たせることでカバルドンの”あくび”やメガフシギバナの”ねむりごな”に積極的に受け出せる。炎技を二つ採用することが自然な形でできるポケモンなので”ねごと”でも当たりを引きやすい。
かえんほうしゃ ソーラービーム きあいだま みがわり@リザードナイトY
”みがわり”を採用したパターン。”みがわり”を持つことで下から”でんじは”で性能を下げることを防げる他、後ろからバンギラスやニョロトノを投げられる可能性がある際に様子をうかがいやすい。
択にも勝ちやすくなるので、クレセリア+ヒードランの並びに相対した際にテンポを握りやすい。
3.対策
メガシンカが二種類あるために対応が難しく、一度テンポを握られてしまうと損害を抑えるのは難しいポケモンではあるが、メガシンカとしては耐久力が低くすばやさの水準もそこまで高くはない。
先制さえできるポケモンであれば体力を大きく削ることは容易であるし、多少体力を削りさえすれば”しんそく”や”ふいうち””こだわりスカーフ”で強引に押し切ることは難しくない。
ファイアロー、ガブリアス、カイリューといった自然にリザードンYに有利に動けるポケモンが採用できていることも多いだろう。
防御的なポケモンを起点にされる状況でも、”でんじは”さえいれることができれば大きく性能を損ねることができる。
ORAS シングルガブリアス
1.概要
言わずと知れた高汎用ポケモン。
高い水準でバランスの取れた種族値、広い攻撃範囲、命中の高い主力技、恵まれた耐性を持ち、単体でメガシンカに迫るスペックを持つ。
そのあまりにも強力な性能は適当にこうげき、すばやさに全振りして攻撃するだけで成果を上げてしまうほどである。
すばやさの水準が高く、最速にすることでメガガルーラ、サザンドラ、リザードン、れいじゅうボルトロスなどの後だしでの対処がしづらいポケモンを処理しやすいことが特に優秀なポイント。”がんせきふうじ””きあいのタスキ””ラムのみ”を絡めることで自身より速いゲンガー、けしんボルトロス、ファイアローなどにも強く出られる相手は多い。
特殊耐久が高めなので”めざめるパワー(氷)”程度では強化アイテムを持つか、ごく一部の特殊攻撃力の高いポケモンでしか一撃にできない。
ガブリアスを採用する主な理由としては
a.安定した打点と耐久力、”さめはだ”などを含めたタイマン性能
b.じめんタイプであることによる麻痺耐性
c.じめんタイプであることによるでんき無効
が欲しい場合である。
さらに、持ち物や技によって以下のような役目も期待できる。
d.”ステルスロック”を撒く能力
e.”こだわりスカーフ””きあいのタスキ”によるストッパー能力
f.”こだわりスカーフ”による抜き能力
g.”こだわりハチマキ””つるぎのまい”による崩し能力
などが挙げられるだろう。
aについては敢えて述べることは多くない。この点を生かすのならば”きあいのタスキ”や”がんせきふうじ”が相性が良い他、”ラムのみ”を持つことで”ねむりごな”ビビヨン、”おにび”ゲンガー、”キノコのほうし”キノガッサなどにも勝てるようになる、”ゴツゴツメット”を持たせることでメガガルーラとの打ち合いにも強くなるといったカスタマイズが可能である。
bは麻痺耐性であり、クレッフィやボルトロスの”でんじは”に待ったをかけることが可能である。
cは電気無効は、そもそもガブリアスがでんきタイプにそこまで有利なポケモンではないために一見首を傾げる人もいるかもしれないが構築にでんき無効のポケモンがいないと(仮にラッキーやバンギラスのように特殊耐久に恵まれたポケモンがいたとしても)”ボルトチェンジ”が安定する局面が発生してサイクル戦で不利を強いられやすくなってしまう。
dは多くのポケモンでも可能ではあるが、ガブリアスは様々な技構成が可能なポケモンであり安易に”ちょうはつ”などで”ステルスロック”を止める動きがしづらく、”ちょうはつ”してくるボルトロスやゲンガーに対して”がんせきふうじ”ですばやさを下げてから”ステルスロック”をするなど柔軟な動きが可能なところがポイントである。それ以上の補助技はあまりないが”げきりん””じしん”で多くの範囲に打点を確保できるために専用のポケモンを擁する必要がなく、構築のパワーを落とさずに”ステルスロック”を採用できる。
eは積みエースに対する抑止力としての性質である。”りゅうのまい”メガリザードンX・カイリューや”ちょうのまい”ウルガモス”つるぎのまい””わるだくみ”メガルカリオ”かそく”バシャーモなどに対して一手遅れても取り返しがつく。
fはサイクル戦終盤における抜きエースとしての性質である。”こだわりスカーフ”と相性のいいポケモンの中ではトップクラスのすばやさを持ち、主力技も範囲、命中率、威力ともに申し分ない。
gはサイクル破壊のための性能であり、”つるぎのまい””げきりん”でクレセリアを突破したり、”かえんほうしゃ”でエアームドを突破したりといった動きを指す。あまり採用されることはないがメガガブリアスになるととくこうが上昇するために”かえんほうしゃ”で容易にエアームドを突破することができる。
比較的類似した性質を持つポケモンにランドロスがいるが、威力の高い”げきりん”でサイクルを打破するのを得意とするのに対してランドロスは弱点をつかれる機会も多い代わりにむし、かくとうに耐性があり”いかく””とんぼがえり””はたきおとす”など、サイクル戦を継続する上でアドバンテージを取って行く要素が豊富なところがポイントか。
『タイマン性能、電気耐性、ステルスロック』という点で言えばマンムー、ドリュウズなども比較的近いポケモンとも言えるが、これらのポケモンはガブリアスの性質とはかなり運用が異なるため互換とは言いがたい。
2.技構成
げきりんじしんがんせきふうじつるぎのまい@ラムのみ
基本的な技構成。
主力技二つのみで多くの相手と打ち合うことが可能であり、”ラムのみ”はキノガッサなどに勝てるようになる他、”がんせきふうじ”と同時に持つことで”おにび”を持ったメガゲンガーやファイアローなどを対処できるために相性がいい。
”げきりん”の混乱を防ぐことができるという意味で”ラムのみ”が活きるというシナジーもある。
じしんがんせきふうじステルスロック@きあいのタスキ
”ステルスロック”要員として採用した場合。
”きあいのタスキ”で確実に”ステルスロック”を撒くポケモンであり、その後も性能の高さから戦線を維持できる。
見た目でも露骨な”ステルスロック”要員だと看破されづらいという効果も見込める。
げきりんじしんストーンエッジドラゴンクロー@スカーフ
”こだわりスカーフ”をスムースに持てるポケモンの中ではトップクラスのすばやさがあるために、けしんボルトロスやラティオス、メガゲンガー、”こだわりスカーフ”サザンドラなどを頓死させることができる。”ちょうのまい”ウルガモスや”りゅうのまい”カイリュー・リザードンX、”かそく”バシャーモにすばやさ一段階アップを許したとしても上から叩いて迅速に処理することができる。
非常に高いすばやさから命中100、威力100以上の一致技を連打できるポケモンであるため、サイクル戦で消耗した相手を一掃するような用途でも信頼性が高い。
ただし、主力技がどちらも無効タイプがあるために隙をみせやすいことには留意が必要である。
げきりんじしんストーンエッジねごと@こだわりハチマキ
ポリゴン2やクレセリアのような数字受けを許さない、破壊力を追求した”いじっぱり””こだわりハチマキ”ガブリアス。とくぼうにふって打ち合いに強くするパターンもある。
”こだわりスカーフ”と違って火力が高いために”おにび”に強気に出られる”からげんき”、マリルリを殴り倒す”どくづき”、”きあいのタスキ”キノガッサや”みがわり”グライオンを突破できる”ダブルチョップ”、どの技が出てもそれなりの火力が見込める”ねごと”など、技はカスタマイズ自在できる。
3.対策
恵まれた種族値と多様な持ち物が想定できるため、安定して対策をとるのは難しい。”きあいのタスキ””ラムのみ””こだわりスカーフ””こだわりハチマキ”だけでも対処の仕方が変わってくる。
まともに受けようとするのならポリゴン2、クレセリア、カバルドンクラスの耐久力が必要になるが、それでも”つるぎのまい”や”こだわりハチマキ”まで想定すると一任できるかは疑わしい。
どうしてもガブリアスに弱いポケモンを採用する場合には、敢えて”げきりん”を撃たせて後ろからマリルリ、ギルガルド、ハッサム、クチートなどを出して起点にしたほうが損害を押さえられることもある。
コラム案
・レート戦とワイヤレス対戦の違い
時間制限とか、対戦中に検索できるか否かとか、感想戦ができるか、とかその辺。よく考えたら、第六世代でワイヤレス対戦したことないので保留。
基本的にはルールの話なので、時間制限メインで理論上突破できるにもかかわらず、時間切れで負けるパターンについて多めに言及したい。
・受けループの崩し方
なんで受けループかというと、書きやすいから。受けループじゃないと、たとえば『ガルーラ軸スタンダードの倒し方』『起点構築概説』というコンセプトだと死ぬほど書く量が増えて私が死ぬ。
どんなに環境が変わっても受けループというコンセプトが存在する限り、『長期的なサイクル戦を想定した構築』というコンセプトは変わらないであろうから、記事の寿命が長くなる、という点で書くモチベーションが上がる。
初心者がつまずきやすい相手でもありますね。
・初心者のために
上述の受けループの派生パターン。
最初心者がつまずく最大の理由は『知識がない』『判断ができない』の二点だと思っていて、例えば『構築時点でカバルドンとルカリオがいても初手”ステルスロック””あくび”カバルドンの可能性を想定できない』『ギルガルドの”たべのこし”を見ても”どくどく””みがわり”の可能性が高いことを判断できない』みたいな感じ。
もちろん、知識が枷になることはあるんだけど、その辺の知識がないまま突っ込むのとわかった上でリスクを踏みに行くのは全然違うというお話。
ただ、それをコラムにするって無理じゃないの……?
ORASシングル初手 考(未完)
1.はじめに
ポケモンで初手で有利に立つことで得られるアドバンテージは大きい。
そこで、本稿では初手で選出されやすいポケモンを整理して考え方を整理したい。
初手向きのポケモンを以下に区分する。
a.設置(ステルスロック、どくびし、まきびし、ねばねばネットなど)
b.壁(ひかりのかべ、リフレクターなど)
c.状態異常(でんじは、あくび、キノコのほうしなど)
d.妨害(ちょうはつ、アンコール、キノコのほうしなど)
e.対面性能
f.その他
aにはカバルドン、ラグラージ、ランドロス、ガブリアス、アグノム、マンムー、ユクシーなど。”ステルスロック”だけなら技を一つ割くだけで使えるために以下のいずれかを兼任することになる。形の上では類似の技を挙げたが事実上は”ステルスロック”カテゴリであり”どくびし”ゲッコウガや”ねばねばネット”ドーブルを運用する場合はまた考え方が変わってくるだろう。
後ろに積み技を使うポケモンが控えていることが多く、カバルドン+ルカリオ+カイリュー、ラグラージ+カイロスのような組み合わせの知名度が高い。変わり種として壁や”ちょうはつ””だいばくはつ”を使うアグノム、”がんせきふうじ””アンコール””ちょうはつ”を備えガルーラに強くに動けるゴウカザルなどもいる。
カバルドン、ラグラージ、ユクシーなどの『状態異常』でサポートに専心するタイプとガブリアス、ランドロス、マンムーなどの単体スペックが高いポケモンで数的損失なく”ステルスロック”を使うタイプに分かれる。
bには壁を使って後続に繋げるパターン。クレッフィ、ニャオニクス、アグノム、ライコウ、ラティオスなど。壁だけを使う分にはニャオニクスやクレッフィなどの”いたずらごころ”ポケモンが最も適性が高いのだがそれ以外のポケモンにもそれぞれ採用されることは多い。
壁自体は覚えるポケモンがとても多いのだが基本的には壁は先手で貼ったほうが効率がいいため構築レベルで壁ギミックを使う場合はすばやさの高いポケモンか”いたずらごころ”が多い。
後ろには積みエースが控えていることが多いのは”ステルスロック”と同じだが、耐久力を上げる”ビルドアップ””めいそう”などとはより相性がいい。”じゃくてんほけん”ギミックを搭載しやすい点もポイントである。
cは様々なバリエイションがあるが”あくび””でんじは”など。
dは相手の初手で採用されるポケモンへのメタである。”ちょうはつ”ボルトロスや”キノコのほうし”キノガッサなど。
eはサポートではなく純粋に戦闘能力が高さで先発向けとなるポケモンになる。ガルーラ、ランドロスなど。単純に勝てる相手が多いこと、だけでなく上述の先発向けの性質を持ち遭遇することが多いポケモンであることが大切である。
fは上記には区分できないポケモンが入る。”あまごい”や”バトンタッチ”など。
上のカテゴリ分けは便宜的なものであり、実際には複数の性質を持ち合わせるポケモンが多い。
2.個別解説
カバルドン
『設置』『状態異常』『その他』
”ステルスロック””あくび””ふきとばし””がんせきふうじ”という起点作り要員としては理想的な技を持ち、物理耐久にも優れるためにメガガルーラに対しても何もできずにそのまま落とされるということが少ない。
”すなおこし”による”きあいのタスキ”不発で助かることもあるだろう。
ルカリオやカイリュー、リザードンX、ボーマンダなど、強力な積み技を持ったエースと併用されることが多い。
また、種族値自体も高いので、裏択として”こだわりハチマキ”で”ちょうはつ”ボルトロスを殴り倒してきたり、”ゴツゴツメット””なまける”で物理ポケモンへくり出すなどの運用もある。
ラグラージ
『設置』『状態異常』
”ステルスロック””あくび””ほえる”。
技はほとんど上述のカバルドンと同じだが、物理耐久が低い反面、弱点が少ないためにウォッシュロトム・マリルリなどに対して行動回数を確保しやすく、すばやさでも多少上回っているためにニンフィア、ポリゴン2、ギルガルドなどに対しても先制できる点を評価しての採用になるだろう。
また、特殊型でも問題なく運用できるために”ちょうはつ””おにび”ファイアローに強気に動けるところもカバルドンと比較した場合の優位性。
後述のライコウと同様、『メタへのメタ』的な理由で採用されるポケモンと言えるか。
クレッフィ
『壁』『状態異常』
壁要員としては”いたずらごころ”であるため”こだわりスカーフ”による奇襲を受けない。
ニャオニクスと比較した場合の特徴は”イカサマ”で物理ポケモンの起点になりにくいこと、耐性の多さから後続と連携しやすいことだろう。
HPが1でも残っていれば控えに残して再利用できる点は”いたずらごころ”共通の強みである。
ニャオニクス♂
『壁』『状態異常』
互換ポケモンであるクレッフィと比較した場合、”あくび”を覚えるのがポイントで決定力に居座ることを許さなかったり、”あくび”をかけながら倒されることで後続をサポートすることができる。
”リフレクター””しんぴのまもり”のみならず”しんぴのまもり”も採用できる。
数は少ないが”ねこのて””キノコのほうし”を武器に”めいそう”で決定力となる構成も存在する。
ライコウ
『壁』『対面』
他の壁を使うポケモンと比較すると、”ちょうはつ”を使うボルトロスやファイアロー、ゲンガーに強いのが特徴。
耐久が高めなので、先発でなくても壁型で運用されることは多い。
”いたずらごころ”のクレッフィやニャオニクスと比較した場合不意の”こだわりスカーフ””じしん”で何もできずに落ちる可能性があるが、それを逆手にとって”ふうせん”持ちやひこうタイプのギャラドスやボーマンダの起点にすることができる。
壁2枚+電気技+”めざめるパワー”(氷)+”ひかりのねんど”でほとんど技スペースが埋まってしまうが、起点回避の”ほえる”や状態異常を狙う”ほうでん”の採用もありうる。
もちろん、他のポケモンで起点を作って”めいそう”で自身が積みエースになる可能性もある。
ラティオス
『壁』『妨害』
壁要員の中でも”おきみやげ”で相手の能力を下げながら退場できるため”りゅうのまい”などを連打されても切り返しやすい。
ボルトロス
『妨害』『状態異常』『対面』
ほとんどの”いたずらごころ”より速く”ちょうはつ”できる点が優秀であり補助技からスタートするポケモンには待ったをかけやすい。
高いすばやさから対面性能も高く安定して運用することができる。
優秀なスペックを持ち、概して先発として優秀なポケモンである。
問題があるとしたら、初手のポケモンでよく採用される”がんせきふうじ”に打ち負けやすいことか。
ファイアロー
『妨害』『状態異常』
”ちょうはつ”で壁や”ステルスロック”への抑止力になる。
”ブレイブバード”さえあれば役目を遂行できるポケモンなので技枠を”ちょうはつ”に割くのも容易であり、汎用性の高いポケモンである。
ゲンガー
『対面』『妨害』『状態異常』
”ちょうはつ”で相手の展開を妨害しつつ”こごえるかぜ”で後続のサポートもこなせる。
豊富な補助技と優れた対面性能で、メガシンカの存在も含めて、ローリスクでの処理が難しい。
キノガッサ
『対面』『妨害』
”キノコのほうし”が強力で、”ステルスロック”や壁技を使うポケモンは”ラムのみ”を持ちづらいが多く優位に立ちやすい。
”ちょうはつ”してくるボルトロスやファイアローにも”きあいのタスキ”を盾に殴り勝つことができる。
ガルーラ
『対面』
純粋にスペックが高く、多くの相手に殴り勝つことができる。
キノガッサやマンムーといった”きあいのタスキ”を活かして来るポケモンを容易に処理得切るのが特筆できる点。
ランドロス
『設置』『対面』
ガブリアス
『設置』『対面』
マンムー
『設置』『対面』
ゴウカザル
『設置』『対面』『妨害』
3.最後に
ここまで長々と初手について述べたが、今回述べたこと全てを網羅して対処する必要は特にない。初手を制したからと言ってそれが勝利にそのまま直結するとは限らない。初手で優位に立って相手の二匹を倒したからといって、最後の一匹に逆転を許すことも充分に考えられる。
それは、”いばる”運による逆転かもしれないし、初手で出したポケモンが消耗のあまり起点にされたのかもしれないし、あるいは構築段階、選出段階で既に確定した、順当で当然の敗北だったのかもしれない。
理論上必敗が確定している初手に対しても実際の対戦ではほぼ見ないのならば無理に対抗できるように構築を修正するのではなく『当たったら負けでいい』と割り切ることも考えられる。
初手対面というのは対戦における一要素に過ぎない。
とはいえ、対戦を続ける上で初手で一方的に展開されるのは継続体力を奪われるのも事実である。
改めてポケモン対戦における初手の意義を確認した上で、本稿は筆を置きたい。
ORAS シングル ファイアロー
1.概論
”はやてのつばさ”による先制攻撃がアイデンティティにして最大の売り。
威力120の先制技というのはそれだけで大きなアピールポイントである。
元々のすばやさの高さもあって擬似的に”ふいうち”に耐性があったり、”がんせきふうじ”を喰らっても”はねやすめ”も先制で打てたり、先制技圏内まで削られてもほとんどの先制技よりも早く”はねやすめ”による復帰ができる、”トリックルーム”中でも運用にさして問題が生じないなど”はやてのつばさ”の有用性は『ただ速くて強い攻撃』に留まらない。
基本的にはどんな型であっても”はやてのつばさ””ブレイブバード”は採用されるため、
a.全抜きポケモンへのストッパー
としての役目は多くの場合で果たすことができる。
また、技構成やもちものによって
b.”ゴツゴツメット””おにび””はねやすめ”による詰ませ性能
c.”ちょうはつ”による起点造り封じ・コンボ封じ
d.”おいかぜ”によるサポート
e.”つるぎのまい”による崩し・抜き性能
d.”こだわりハチマキ”による崩し・抜き性能
を発揮することができる。
2.技構成
ブレイブバードフレアドライブとんぼがえりねごと@こだわりハチマキ
”こだわりハチマキ”の構成。
aとしての性能が高めで、通常の”ブレイブバード”で処理しやすいバシャーモやウルガモスのみならずマリルリ、カイリュー、メガギャラドス、メガボーマンダに積み技を許してしまってもダメージを与えておけば強引に”ブレイブバード”で押し切ることがしやすい。
後に述べる補助技中心のファイアローに対して強いライコウやサンダーでの受けも”フレアドライブ”で問題なく突破できる。
有利対面から後続へと負担をかけることができ、充分なファイアロー受けのいない構築に対しては効果的な構成である。サイクル戦の中で相手を消耗させれば”こだわりハチマキ””ブレイブバード”連打で全抜きすることも視野に入る。
ただし、バンギラス、ヒードラン、物理耐久に振ったウォッシュロトムなどファイアローにタイプ上有利なポケモンがいる場合にはあまり負担にならずサイクル負けしやすいことには留意が必要である。
一番ベーシックと思われる技構成を例示したが、技構成はカスタマイズの余地がありメガフシギバナに対して”ねごと”で”ブレイブバード”を引き当てる確率を上げるために技を絞ったり、サイクル戦でタイプ受けしてくる相手に効果的な”どくどく”を採用するなどのパターンもある。
ブレイブバードおにびちょうはつはねやすめ@ゴツメ
”ゴツゴツメット”の構成。。
物理の比率が高いORASにおいて”おにび”は強力な技であり、もともと『強い相手には一方的に強い』性質を持つファイアローは後続にほとんどタイプに関係なく定数ダメージを与える”おにび”とは相性がいい。
一度”おにび”を入れてしまえば多くの物理ポケモンの攻撃に対して”はねやすめ”で回復がおいついてしまう。受け出しこそ効かないが、性質としては『一部の相手を封殺する』という意味でナットレイやラッキーに近いとも言える。
”ちょうはつ”を持つためにクレセリアやポリゴン2で受けられても逆に”おにび”で削り倒すこともできる。
ファイアロー本来積みエースへの抑止力としての役目をこなしつつ汎用性の高い構成であり、”おにび”さえ決めることができれば強力な詰ませ能力を持つポケモンである。
ただし、物理耐久自体がさほど高いわけではなく”おにび”が外れたり”ラムのみ”で防がれると途端に劣勢に陥ってしまうのが難点である。
ブレイブバードおにびちょうはつはねやすめ@ラムのみ
技構成は”ゴツゴツメット”と同じだが、持ち物を”ラムのみ”にしたパターン。
クレッフィやニャオニクスのような起点作りポケモンに対して一度”いたずらごころ”で動かれても確実に”ちょうはつ”を入れることで展開を阻止することができる。同様にカバルドンも”あくび”を受けながら”おにび”を入れることで”はねやすめ”で完封できる。ビビヨンやメガフシギバナに受け出しても勝てる可能性が高い。
”ねむりごな””キノコのほうし”をより重く見るなら”ぼうじんゴーグル”との相性も悪くはないが、メガフシギバナの”ヘドロばくだん”やキノガッサの”がんせきふうじ”で大ダメージを負ってしまうため複数回粉技に受け出せるという長所は活きにくいかもしれない。
ブレイブバードちょうはつおいかぜつるぎのまい@ラムのみ
後続のエースを降臨させるために”おいかぜ”を使うパターン。
”おいかぜ”を消費させるためにターンを稼ごうとする相手には”つるぎのまい”で自身が決定力になることができる。
コンセプトから初手で出すことも増えるため、”ちょうはつ”と”ラムのみ”を持たせた、これらの枠は構築によってカスタマイズできるだろう。
”だっしゅつボタン””とんぼがえり”などで後続と繋ぐことも選択肢には上がる。
ブレイブバードちょうはつつるぎのまいはねやすめ@するどいくちばし
”つるぎのまい”ファイアロー。
クレセリアやソーナンス、ポリゴン2のような数値受けは、突破自体は”おにび”でも可能ではあるが”つるぎのまい”採用することでを逆に起点にまでできる。技構成次第ではヒードランさえ起点にできる可能性がある。
”ちょうはつ”を入れることで”でんじは””みかづきのまい””アンコール”などを封じることができるが、この枠を”フレアドライブ”でクレッフィやライコウ、サンダーへの打点を確保してもよい。
3.対策
持ち物によって全く別の性質に化けるという難儀なポケモンであり、これという安全な対策は少ない。
ファイアローの相手をするためにまず想定しなければいけないのは”おにび”と”ブレイブバード”であるため、最低限も止められる条件は”おにび”で機能停止しないこと、”ブレイブバード”で致命傷を受けないこととなる。
という点を考慮すると電気タイプの特殊ポケモンになる。ライコウ、サンダー、メガライボルトなど。”フレアドライブ”にも耐性のあるウォッシュロトムやヒートロトム、ヒードランなどなら信頼性はより高い。
受けるだけならクレセリアやポリゴン2という手もあるが”ちょうはつ”でストップすると辛いのでその点を打破できるようにしなければならない。
”ステルスロック”で大ダメージを受けるポケモンではあるが”はねやすめ”で復帰することもでき、”ステルスロック”が入ったからといってファイアローに弱いポケモンがファイアローとの相性関係を逆転できるわけではないため、それだけでは対策とは言い切れない。そもそも”ステルスロック”を”ちょうはつ”で止められる可能性もある。
対面からの展開や迫撃には強いポケモンではあるものの、受け出し性能は基本的に低く”ブレイブバード”を使うたびに命を削っていくために消耗も速い。ファイアローに弱いメガフシギバナやローブシン、キノガッサなどを運用する場合にはファイアローにローリスクで”おにび”を打てるような余裕を作らせない立ち回りを心がけたい。
格闘タイプは交代際に”はたきおとす”を決めることができれば型が絞れるために対処もしやすい。
GBA上位キャラの型まとめ
以下、GBA上位キャラっぽいのの構成まとめ。
煩雑になるのを避けるために簡略化しちゃってるのも多いので結構嘘。特にこだわりハチマキは最後の技が違うことも多い。
だいたいここにのっかっているポケモンがGBAの最上位だと思っています。
・カビゴン
基本型(やつあたり、だいもんじ、のろい、ねむる@カゴorたべのこし)
じわれ型
カウンター型
ハチマキ型(すてみタックル、じしん、シャドーボール、じばく@こだわりハチマキ)
その他、上記複合等
・メタグロス
大爆発型(コメットパンチ、じしん、かみなりパンチ、だいばくはつ@不定)
ハチマキ型(コメットパンチ、じしん、いわなだれ、すてみタックル@こだわりハチマキ)
・スイクン
瞑想型(なみのり、れいとうビーム、めいそう、ねむる@カゴ)
みがわり型(みがわり、めいそう、なみのり、れいとうビーム@たべのこし)
リフレクター型(なみのり、れいとうビーム、リフレクター、ねむる@カゴ)
・ゲンガー
格闘流し型(10まんボルト、サイコキネシス、おにび、だいばくはつ@オボンのみ)
攻撃重視型(10まんボルト、れいとうパンチ、ほのおのパンチ、みちづれ@ラムのみ)
その他、ほろびのうた、きあいパンチ、だいばくはつ等
・ヘラクロス
こだわりハチマキ型(メガホーン、かわらわり、いわなだれ、不定@こだわりハチマキ)
剣カムラ型(つるぎのまい、メガホーン、かわらわり、いわなだれ@カムラ)
起死回生型(みがわり、きしかいせい、つるぎのまい、メガホーン@カムラ)
・サンダー
セミフル?
きんぞくおん?
みがわりバトン?
みがまも?
よくわかりません
・ライコウ
めいそう?
リフレクター?
どくどく?
よくわかりません
・ボーマンダ
意地っ張りハチマキ(めざめるパワー、じしん、かわらわり、すてみタックル@こだわりハチマキ)
ようきハチマキ(めざめるパワー、じしん、かわらわり、いわなだれ@こだわりハチマキ)
チイラ龍舞(りゅうのまい、じしん、いわなだれ、めざめるパワー@チイラのみ)
特殊(ドラゴンクロー、だいもんじ、ハイドロポンプ、不定@りゅうのキバ)
・ソーナンス
基本型(カウンター、ミラーコート、アンコール、みちづれ@ラムのみ)
その他、甘える等
・サンダース
ねがいごと?
みがわりバトン?
どくどく?
よくわかりません
・ミロカロス
催眠術(なみのり、れいとうビーム、さいみんじゅつ、じこさいせい@ひかりのこな)
怪しい光(なみのり、れいとうビーム、あやしいひかり、じこさいせい@ひかりのこな)
・サマヨール
封印鬼火(ちきゅうなげ、おにび、ふういん、ねむる@カゴのみ)
その他、寝言、瞑想、気合いパンチ等
・ギャラドス
龍舞型(めざめるパワー、じしん、りゅうのまい、不定@ラムのみ)
でんじは型(めざめるパワー、じしん、でんじは、ねむる?@ラムのみ)
じたばた型(みがわり、じたばた、じしん、りゅうのまい@カムラのみ)